バーチャルキャスト法人向けエディション事例紹介(5) 学校法人国際総合学園 新潟コンピュータ専門学校様

高度な情報化社会で存在感を増すAI開発で輝ける人材、ネットワーク分野で活躍できる人材、5G時代に必要とされる仮想空間でのサービス開発に必要な人材。
次世代を担う産業に即戦力となる人材を育成すべく、革新的な指導方法で他を圧倒する「新潟コンピュータ専門学校」。

そんな「新潟コンピュータ専門学校」が2020年4月、「CG・Webクリエーター科」内に「VTuberコース」を開講し、主要教材として「バーチャルキャスト」の採用を決定しました。

教育の現場に用いられる「バーチャルキャスト」がどのような役割を担っているのか、どのような人材育成に活かされるのかという点を、新潟コンピュータ専門学校・ゲームクリエーター科学科長、CG・Webクリエーター科学科長の山中裕介さん、ゲームクリエーター科VRコース担当の志田祐介さんに訪ねました。

 

――「VTuberコース」の開講おめでとうございます。画期的な試みかと思いますが、この「VTuberコース」はどのような目的で設けられたのでしょうか。

 

―CG・Webクリエーター科:山中裕介学科長

「VTuberコース」という名称ではあるのですが、キャラクターの中に入る演者さんを育成するコースではなく、バーチャルキャラクターのデザインやモデリング、VR周りの環境を構築するエンジニア、テクニカルアーティストという人材を育成する専門コースとして立ち上げました。
アニメでいうと声優ではなく、演出や効果、画面の作り込みを行うクリエーター育成を目指しています

 

――講義の中で「バーチャルキャスト」はどのような形で用いられる予定なのか教えて下さい。

 

―CG・Webクリエーター科:山中裕介学科長

「バーチャルキャスト」は、VTuberを動かしたり、VR空間を学ぶための実習教材となります。

「バーチャルキャスト」をベースにどうやってVRコンテンツを作っていくのかという仕組みを実践的に学び、新しいアイテムをVR空間内に登場させて使ってみるといった形で、“全てのベースになる基幹ソフト”と位置づけています。

 

――昨年9月から今年3月までバーチャルキャラクターによるVRコミュニケーション、情報発信の実証実験を新潟市 経済部 成長産業支援課と連携して行われていましたが、「バーチャルキャスト」の起用などあったのでしたでしょうか

 

―CG・Webクリエーター科:山中裕介学科長

当校オリジナルのVRキャラクターを「バーチャルキャスト」のVR空間内に登場させ操作する体験会を、新潟市のイベントや東京ゲームショウ、新潟市補助事業「N Tech Labo」で小学生を対象とした「はじめてのVチューバー制作体験会」で、大いに活用しました。

また、今回の「VTuberコース」とは別に、当校には「VRコース(ゲームクリエーター科)」、そしてキャラクターのデザインやモデルを作る「ゲームグラフィックコース(ゲームクリエーター科)」があります。

この2コースの学生向けに「バーチャルキャスト」CTOの岩城進之介さんに来て頂き、「バーチャルキャスト」で使うためのデータに関する特別授業をして頂いたりしました。

 

――「VTuberコース」へ「バーチャルキャスト」を導入する際の“決め手”になったポイントを教えて下さい。

 

―CG・Webクリエーター科:山中裕介学科長

ポイントは2つあります。

1つ目は、当校で「こんなことやりたいな」と思っていたこと、“現場の私達が「こんなこと出来たらいいな」と考えていた機能が全て入っていた”というポイントです。

具体的には、オリジナルVRキャラクターを実装するだけでなく、VR空間でアイテムを使い、新しいコンテンツを作ったり、ゲームを作ったり、VR空間内で新しい遊びを作ることが出来るという拡張性になります。

2つ目は、「バーチャルキャスト」との出会いに遡ります。

「バーチャルキャスト」との出会いは、eスポーツ関連、当学園の合同学園祭、出展イベントなどでご協力頂き、信頼を寄せているTSUKUMOさんからの強いオススメでした。

「絶対にオススメのVRコミュニケーションサービスがある!」と。

そこから「バーチャルキャスト」を調べ始めてみると、実際にやりたいことが全て詰まっていることがわかったという経緯があるので、“導入企業での実績や評判”という点もあげられます。

 

――今「eスポーツ」との言葉があがりましたが、御校は国内トップクラスの「eスポーツ専用施設」をお持ちです。「eスポーツ」の分野にもVTuberの活躍は広げていけそうでしょうか。

 

―CG・Webクリエーター科:山中裕介学科長

eスポーツ分野では、選手育成も手掛けているのですが、ゲーム実況ですとか、ゲーム解説をVTuberに担当してもらうといったことも可能になるのではと期待を広げています。

 

――人材育成・教育方面の話をお伺いします。「VTuberコース」では「アニメでいうと声優ではなく、演出や効果、画面の作り込みを行うクリエーター育成」とのお言葉ありましたが、具体的にはどのようなことが出来る人材や教育を指しているのでしょうか。

 

―CG・Webクリエーター科:山中裕介学科長

VTuber関連では中の人になりたい!」「可愛いアバターが欲しい」という方が多く、これからもこのニーズは増えていくのだろうと思っています。
そうなると、このようなニーズが高まった際、「じゃあそれを誰が作るの?」という問題が浮上します。

そこで、VRのグラフィッカーエンジニアの知識と技術をバランス良く学び、クリエイティブ能力とITスキルを併せ持つ「縁の下の力持ち」として、夢のあるVRコミュニケーション文化を支えていける人材、VR関連企業に就職して新しいものを創作できる人材を育てていきたいと考えています。

「バーチャルキャスト」CTO岩城進之介さんのような方を増やし、業界全体を温めていけたらいいですね。
就職活動にしても、「バーチャルキャスト」を始めとする企業様と連携した学内コンペなどの開催も企画しており、学生にとっては「就活に使える教育」を、企業様にとっては「即戦力になる教育」を心がけています。

 

――「発信」についてもお伺いしたいのですが、「バーチャルキャスト」特有のVR空間内にアイテムを持ち込み使う機能、コラボ機能は訴求力を持った「発信」に繋げていけそうでしょうか。

 

―CG・Webクリエーター科:山中裕介学科長

これから5Gの時代を迎えることになります、VR空間でバーチャルな姿になり、リアルタイムなコミュニケーションや、一緒に何かを作る「創作」での盛り上がりを、新潟から発信できれば面白いなと考えています。

現在までに新潟市と連携し、バーチャルキャラクターによるライブコミュニケーション・情報発信事業の実証実験を授業に組み込み、市内の企業に協力頂きながら産学官連携でバーチャルキャラクターを活用したVRコンテンツの制作を行ってきました。今後は新潟県全域をPRする、新たなVRキャラクターを企画し、新潟のお米、お酒、魚釣り、新潟ならではの魅力を「バーチャルキャスト」で発信していけると嬉しいですね。

それこそ、志田(ゲームクリエーター科VRコース担当:志田祐介さん)が“釣りマニア”なので、中の人として活躍する日が来るかもしれません(笑)

――新潟コンピュータ専門学校さんでは、新潟を応援するVTuber「笑主(えぬし)しぃ」を企画制作されていますが、モデリングデータを「バーチャルキャスト」で活用するまでに苦労された点などありましたでしょうか。

 

―CG・Webクリエーター科:山中裕介学科長

「バーチャルキャストを採用しよう!」となってから、急遽VRoidのVRM書き出し機能を使ってみたのですが、すんなり読み込んでくれました。
VRMに特化したモデリングソフト、書き出し機能を持つソフトも沢山あるので、データを作るのは大変じゃないという印象を受けました。

余談になりますが、「バーチャルキャスト」のVR空間で活動する「笑主(えぬし)しぃ」の制作に、VRoidを使っているということをイベントでお会いしたpixiv様の方から「ありがとう!」とのお言葉まで頂きました。

 

――動画では「笑主(えぬし)しぃ」がVR空間でホワイトボードを駆使したお絵かきに挑戦したり、VR空間内で他のキャラクターとコラボしたりしています。「バーチャルキャスト」ならではの機能を生徒さん達が楽しんでいることが伝わってきますが、生徒さん達の「バーチャルキャスト」に対する感想や評価などいかがでしょう。

 

―CG・Webクリエーター科:山中裕介学科長

当校はゲーム好きな学生が多いので、VRの世界観にはPlayStation VRで慣れ親しんでいた学生も多かったんです。そんな学生たちからは「バーチャルキャストここまで動く!凄い!」といった技術力の高さや、他のソフトとの差に驚愕する声が届いています。

そういう意味ではまず「凄い!」という言葉があがってきます。

また、生徒たちは若いのでVRに馴染むのも早く、VR空間での動きもスムーズです。

――まだまだ走り出したばかりの「VTuberコース」かとは思いますが、現状で「バーチャルキャスト」が実現してくれたと思えることを教えて下さい。

 

―CG・Webクリエーター科:山中裕介学科長

2016年から産学連携で2DCGキャラクターを動かしてデジタルサイネージ等で動かしたり、しゃべらせるという取り組みを行っていましたが、これが「バーチャルキャスト」を導入するようになって初めて、3DキャラクターとしてVR空間で自分たちのキャラクターが自由に動かせるようになりました。

2016年からの取り組みでは、やはり平面での表現でしかなかったので、3Dになるだけでなく“世界”に入り込んでいけたらという思いが当時からありましたので、まずは「2Dから飛び出し3D、そしてVR世界に入って行きたい」という思いが実現できました。

4月からの「VTuberコース」では、さらに学生たちの持つ自由な発想を反映させた“VR世界”の作り込み、そしてそこから生まれる新たなコミュニケーションへの発展を期待しています。

 

――それでは最後の質問になりますが、「バーチャルキャスト」を用いた今後の「VTuberコース」で検討されている、次なる展開など言える範囲内で教えて下さい。

 

―CG・Webクリエーター科:山中裕介学科長

直近で言えば、5Gへの対応です。

これまでのような動画を作るためのVTuberではなく、リアルタイムに複数の人たちとコミュニケーションを取れるツールとして活用していきたいという考えを持っています。

自分のキャラクターがアバター化されたVR世界と、5Gで高速・大容量化される通信網を絡み合わせることにより、新たなコミュニケーションの形を生徒たちが生み出してくれることに期待しています。

また、当校での「学園祭」や、今後関わる大きなイベントでも「バーチャルキャスト」を用いた展開を打ち出していきたいという思いがあり、音楽ライブやダンスパフォーマンスなどエンターテインメント分野でもVRを大きく活用出来ればと考えています。

実際に“言える範囲”以外では、水面下での調整や取り組みが色々と進んでいます(笑)

 

――本日はお忙しい中本当にありがとうございました。

 

CG・Webクリエーター科:山中裕介学科長、ゲームクリエーター科VRコース担当:志田祐介さん

ありがとうございました。

 

※学校法人国際総合学園 新潟コンピュータ専門学校
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※新潟コンピュータ専門学校「CG・Webクリエーター科」
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※バーチャルキャスト法人向けエディションについての詳しい情報はこちら
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