Quest版ルームリリースのお知らせ

皆さんこんにちは、バーチャルキャスト ディレクターの加藤です。

2月17日のアップデートでついにQuest版ルームがリリースされました。
ここではQuest版ルームのご紹介といくつかの注意点の確認、そして今後の展望について記載させていただきます。

ボリュームが多くなっていますので、気になるところから、お時間がある時にご一読ください。

簡単に概要だけ知りたい方向けに3行まとめを作りました。こちらをどうぞ!

  1. PCとQuestが交流可能に。それに伴う処理と制約について
  2. 快適な体験のための注意点とガイドラインの確認のお願い
  3. 今後のアップデート予定のご紹介

Quest版ルームってなに?

そもそもルームって?

バーチャルキャストに元々ある「スタジオ」という世界は、VR空間の中からVR空間の外の視聴者とコミュニケーションをしたり、VR空間内でコラボ配信をしたりといった「配信」がメインの世界でした。

それに対して「ルーム」は、VR空間内でゲームを遊んだりイベントに参加し、そこで仲良くなった人とフレンドになったりして、思い出として写真を撮ったりお土産としてアイテムを買って持ち帰るといった「特別な体験」をメインとして、それを積み重ねていける世界となります。

そして今回のアップデートでQuestの世界は「スタジオ」から「ルーム」に完全に置き換わります!
Quest単体では配信が難しいなどの理由もあり、Questユーザーの皆さまには大変ご不便をおかけしました。「ルーム」で様々な「特別な体験」を用意して皆様をお待ちしております。

スタジオとルームの機能的な違いについては簡単にこちらにまとめました。
また、初心者ガイドもございます。是非一度、全く新しい世界に飛び込むつもりで体験してみてください。

Quest版とPC版の関係性

アップデートで大きく変わる点はもう一点あります。
Quest版とPC版の関係性についてです。
今まではQuest版とPC版は別々の扱いで、Quest版で行ける場所は限られていました。

しかし、今回のアップデートからは、Quest版からもPC版で公開されているルームに同じようにアクセスすることができ、PC版のユーザーとQuest版のユーザーがプラットフォームの壁を越えて自由に交流することが可能になります。

ルーム、アバター、アイテム、ロケーションの全てにおいて「これはQuestだから使えない」というものは基本存在しません。

PC版のユーザーは特に準備など必要なく今まで通りでQuest版のユーザーと交流できますし、Quest版のユーザーはほとんど意識せずに様々なルームにアクセスしたり他のユーザーと交流することが出来ます。

Quest版だとどう違うの?

PC版とQuest版で互いのプラットフォームをほとんど気にせず、自由に互いが作ったものを見たり交流できることを目指して今回のQuest版ルーム対応はこのような形をつくりました。

とはいえ、それを実現するためにいくつかQuestというハードのスペックに合わせて調整している部分や、PCとQuestというハードの違い上、どうしても異なってくる部分があります。

その中から4点に関してご説明させていただき、皆様にご理解いただければと思います。

グラフィックの負荷軽減のための処理

Quest版においては負荷軽減のため、グラフィックの設定がPC版におけるVR体験優先:低とほぼ同等の設定となっております。

そのため、ポストプロセッシングと呼ばれる映像全体に対するフィルタ効果は適用されません。ここは特に重い処理となりますため、スムーズな体験を優先しております。

アバターやアイテムの負荷軽減のための処理

アバターやアイテムの表示においても一部Questユーザー側で表示する際に自動で負荷軽減処理を行っております。

具体的には以下のような内容になります。

  • Questユーザー側では、自動ポリゴン削減したアバターを表示
  • 半透明の表現は透過による半透明ではなく、とても細かい網目のような表現で表示
  • 輪郭線の表現があった場合はQuestユーザー側では非表示

これらは自動で処理されているため、アバターやアイテムを制作・アップロードされている方は特に意識せずともPC、Questどちらでも使える形になります。

一部オブジェクトにおけるチラつき

Questでは処理の都合上、一部オブジェクトがチラついて表示されることがあります。
これはZファイティングと呼ばれるもので、2つのオブジェクトが近い距離で重なっていると発生します。

こちらに関しましては、システム側での対処が難しいため、これが発生しているアイテムやロケーションの制作者の方に重なっている部分を調整していただく必要があります。

制作者の方はお手数ですがQuestユーザーの方も意識したコンテンツを制作する際はこの点にご注意いただければ幸いです。

VR内での有料商品の購入

Quest側ではプラットフォームの都合上、まだVR内での有料商品の購入が準備できておりません。こちらは現在どのような形で実現するかも含めて検討しておりますため、今しばらくお待ちください。

THE SEED ONLINEのWEBサイト上での購入は可能となっていますので、有料商品を購入される場合はそちらをお使いください。

リリース後の注意点

リリース後にバーチャルキャストに触れていただく皆様に3点ほど注意していただきたい事項がございます。重要な事柄になりますので是非ご一読ください。

同一アカウントでの同時ログイン非推奨

まず1点目、同一アカウントでの同時ログイン非推奨についてです。
THE SEED ONLINEの利用規約において第三者によるログイン情報の使用は禁止されているため、今までは同一のルームに同じアカウントのユーザーが同時に入室しようとすることは基本ありませんでした。

ですが今回、Quest版ルームがリリースされるにあたってPCとQuestが同一のルームに同時に入室可能になりました。そこで、PCとQuestを同時に使用して同じアカウントでルームに入室されようと試そうと考えていらっしゃる方がいるかもしれませんが、その行為は非推奨とさせていただきます。そちらを行いますと、想定外の動作となることがありますのでご注意ください。

ガイドライン

2点目、ガイドラインについて
今回のQuest版ルームによって、これから様々な方がバーチャルキャストに触れることになるかと思います。そうすると、様々な考え方、趣味嗜好の方が交わることとなります。

そのため、ユーザーの皆さま一人一人が安心して快適に過ごせるようにバーチャルキャストではバーチャルキャストを利用する上でのガイドラインを策定しております。

皆さま是非ご一読、ご理解の上、バーチャルキャストのご利用をお願いいたします。

ガイドラインは以下の2つとなります。

活動ガイドライン配信、撮影をする方へ

不具合を見つけた場合の対応

3点目、不具合を見つけた場合の対応について
今回リリースするにあたり、ギリギリまで体験が良くなるようパフォーマンスの調整や不具合の修正を行いましたが、それでもやはり多くのユーザーの皆さまが触れていく上で、事前に見つけきれなかった不具合が発生することがあり得ます。

そうした時は、既知の不具合FAQを確認していただいた上で該当する項目がなければ、それが発生した詳しい状況、どうすれば発生するかの手順を可能な限り記載してお問い合わせにご報告いただけると大変助かります。

リリース後も体験をより良くするべくまだまだブラッシュアップしていきますので皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

お問い合わせ

今後の展望

Questルームのご紹介と、注意点の確認をさせたいただきました。
ここまでお読みいただきありがとうございます。

それでは最後に今後の展望についてです。

今回Quest版ルームがリリースされましたが、もちろんこれでゴールということではなく、むしろここからがスタートになります。

ここで先出しで今後予定されているアップデートの内容をいくつか紹介させていただきます。

VR内で撮影した写真を即アイテム化

体験の共有、思い出の記録など、写真は「特別な体験」においてとても重要な意味を持ちます。そして、撮影した写真はその場でフレンドと一緒に確認したり、そのまま相手に手渡したり、あるいはルームに飾ったりしたい。私はそう考えています。

今でも画像をVCIのアイテムに変換するサービスはありますが、やはりVR内で即座にそのままアイテム化出来れば体験は一気に向上するでしょう。

ということで「VR内で撮影した写真を即アイテム化する機能」を現在開発中です。
こちらはそう遠くないうちにお届けできる想定です。お楽しみに!

動画プレイヤー

VR空間での過ごし方において動画プレイヤーは単なる動画視聴にとどまらず、イベントでのBGM再生、ダンスなどでの動きの手本など様々な使い方が出来るアイテムです。

やはり動画プレイヤーが出来れば楽しめることも多い、ということでQuestでもPCでも一緒に使える動画プレイヤーを現在開発中になります。

ゲーム系API

VRでも現実でも、様々な人が遊ぶコンテンツとしてはやはりゲームが挙げられるでしょう。
もちろん、こちらに関しても開発中になります。

内容がかなりボリュームが多いため、いくつかの段階に分けて準備する予定となっております。

まずはVC公式のみ使える形で実装して、いくつかコンテンツを作成して皆様にお試しいただき、それを受けて調整等をしたのちにクリエイターの皆さまも触れる形で提供することを想定しております。

と言いますのも、最初の段階で内容に「ユニークユーザーIDの発行」「キャラクターのテレポート」などが含まれており、使い方によっては体験を阻害するものが作成出来てしまうため慎重に準備を進めさせていただいています。こちらに関しては気長にお待ちいただければ幸いです。

Quest内有料購入

先ほども記載しましたが、QuestでVR内での有料商品の購入についても検討しております。

こちらはお金が関わる部分のため、制約が多く、皆様に安心して便利に使っていただくためにはどう実現するかから検討している段階になります。今しばらくお待ちいただければ幸いです。

物理演算挙動の調整

現在物理演算挙動の更新頻度が使用するVR機器によって変わる部分があるため、その統一を予定しております。

統一する際は低い方に揃えることになりますため、現在の物理演算挙動の更新頻度を前提として作成されているアイテムは修正が必要な場合があります。

PCユーザーとQuestユーザーが混ざって同じように遊べる世界のため、ご理解ご協力をよろしくお願いします。

パフォーマンス向上

今回のリリースにあたってギリギリまでパフォーマンスのチューニングを行いましたが、それでもまだ、一部重いシチュエーションが存在しますし、同じルームに多人数集まっている際や、アイテムが多数生成されている時などはどうしても負荷が高い状態となります。

そういった状態でも可能な限りより良い体験が出来るよう、今後もメッシュコライダーの公開、VCIロード時の負荷の分散などパフォーマンスの向上に関しては継続的に取り組んでいきます。

さいごに

改めまして、ここまで長文お読みいただきありがとうございます。

かなりの分量にはなりましたが、記載しきれなかった機能や今後の予定などもたくさんあります。まずは一度Quest版ルームの入ったバーチャルキャストに触れていただき、実際にどんなことが出来るかを体感して、今後も含めてどうなっていくかを予想していただければと思います。

バーチャルキャストは皆様に「新しい体験・出会い」を提供し、そこでの「思い出を共有し、持ち帰れる」ことによって「非日常な日常」を体験できる世界を目指しています。

そのためにユーザーの皆さんの力をお貸しください!
特別な体験をして、思い出を作り、SNSに投稿して、一緒にバーチャルキャストの世界を広げていきましょう。

今後ともバーチャルキャストをよろしくお願いします。

バーチャルキャスト ディレクター
加藤大樹