バーチャルキャスト法人向けエディション事例紹介(1) 株式会社ProjectWhite(TSUKUMO)様
自作PC・パーツ・周辺機器などの専門店として評価の高い【TSUKUMO】。
長い歴史を持ちながらも、「日本初の女性スタッフのみで運営するパソコン専門店」「日本初のロボット専門店」等「日本初」へと積極的に挑むチャレンジ精神旺盛な企業です。
そんなTSUKUMOが“新たな市場開拓”として現在精力的にチャレンジしているのが、バーチャルキャスト。
早速、「TSUKUMO」株式会社Project White執行役員 営業企画部部長 兼 商品企画部部長の駒形一憲さんにお話を伺いました。
――まず始めに、御社ではどのような用途でのバーチャルキャスト導入を目指されたのでしょうか。
「リアル店舗」「WEBショップ」という2つの既存事業形態に加え、“3つ目の市場”となる『バーチャル市場』を目指してみようというアイデアが発端です。
将来的にはバーチャル店員がバーチャル商品を売る「バーチャル・バナナの叩き売り」という市場も開拓していきたいと思っています。
――実際にバーチャルキャスト通販を手がけてみた感触はいかがですか。
非常に可能性を感じています。売上に関してはもちろんですが、働き方に関しても、可能性を感じました。
バーチャル市場が有力な3つ目の市場になってくれば、時間的に制約がある、子どもを迎えに行かなければならない、身体の事情で出社できないという優秀な方々にも働いていただけるのではと考えており、将来的には“バーチャル・サポート店員”も導入したいと考えています。
――売上のお話は後ほど伺うとして、少し「バーチャル・サポート店員」構想についてお聞かせください。
現状では電話でのサポート体制を敷いていますが、電話ですとどうしても相手の顔が見えません。問い合わせにしてもクレームしても話が大きくなりがちです。
ところが、実際に顔合わせてみると、なんともなかったり、内容がそんなに大きくなかったりするケースがほとんどです。
我々も実際に導入するまで想定していなかったのですが、バーチャルでもこの“実際に顔を合わせる”のと同じ印象を受けました。
社内でも「実際に顔を合わせてみると違うよね。バーチャルでも」という意見がよく出るほどで、テレビ電話でも実現できていないことが実現できています。
――御社で取り組まれているのはバーチャルキャスト通販という前代未聞の試みです、利用者の反応はいかがでしょう。
これまで3回放送をやってきて、お客様からは「面白い」「新しい」とポジティブな意見が多いです。
実際にバーチャル店員が紹介する商品も売れています。
特価品を出した際は、リンクを貼った瞬間に3秒くらいで限定数完売ということもあったので我々も驚きました。
――既存のWEBショップと比較して、売上の傾向や商品の動き方に違いは感じられましたか。
我々の取扱商品は数万アイテムになるんですが、それを1個1個説明させてもらえる機会ってなかなか無いんです。
このバーチャルキャスト通販を使い、売れている商品はもちろん、これまで日の目を浴びていない商品、売れていなかった商品を売ることも出来ているので、商品自体の掘り起こしが実現出来ています。
“不稼働品”が売れているのが本当にありがたいです。
こういう“不稼働品”の売上が突然発生ということはWEBショップや全店舗通じてこれまで無かったケースです。「眠ったままの優秀な商品たちに、弁明の機会が与えられた」そんな印象を受けます。
WEBショップって1回登録するとそこを利用することが楽になりますが、初回登録って面倒じゃないですか。
ですので、利用登録したくなるような特価品やネタになる商品は今後も出していきたいと考えています。
バーチャルキャストを導入して挑んだ通販での購入客は、ほぼ新規顧客です。新しい顧客の掘り起こしも出来ているということですね。
――バーチャルキャスト通販は今後どのように展開していきたいですか。
今は1ヶ月に1回なのですが、将来的には専門スタッフを入れ、毎週や各日、毎日と配信頻度を上げていきたいと考えています。
バーチャルキャスト通販は、これまでの即売会的なイメージとは違い、バーチャル空間なので実際には遠方に在住のゲストさんに凸して頂くということも好評でした。
将来的には“隣の晩ごはん”的に、我々の側から人のいるところへ凸しに行くというスタイルも実現したいと考えています。
その時には、駅弁売のような首からかける木箱をVR空間に用意できればと思います(笑)
今リアルで出来ていることの大半はいずれVR空間で実現できるようになるだろうとも思っています。
だって、私が美少女になれるんですから(笑)
――VRセットという高額商品が即完売といった事例もあったとお聞きします。
我々のメッセージとして「バーチャル空間に来て欲しい」という思いが強いので、VRセットはちょいちょい特価で売っていきたいと考えています。
――番組では利用者同士が楽しみながらショッピングし、購入の喜びや満足感を共有という新たな一面が印象的です。この流れは当初から思い描かれていたものでしょうか。
もちろんです。
テレビショッピングって「わ~!」とか「やす~い!」みたいな“おばちゃんの声”がSEで入ったりするじゃないですか。
これが“生”で入るというイメージですね。
販売価格も色々と調整していますが、特価品だけでなく通常価格品も売れているので、この効果は想定以上です。
――現状ではバーチャルキャスト導入が軌道に乗っている印象ですが、導入までのセッティングや期間、サポート体制などはいかがでしたか?
やるぞと決めたのが1月でした。バーチャルキャストさん側からのご指導もあり、過度な作り込みをせずにスタートしようという方向性が決まり、2月22日にはもう初回放送が実現しています。
社内でもガッツリ予算化できていないという、まだまだ“プロジェクト”的な部分がありましたが、それでも導入に踏み切れるスピード感とコスト感があります。
――準備の1ヶ月間にはどのようなことをされましたか。
実際に初回放送までの1ヶ月にしたことと言えば、ゲストさんへの出演依頼と調整、それに台本の準備、放送時の特価品を用意するための社内折衝くらいでしょうか。
コンテンツ作り込みに関しては、WEB作るよりも簡単です。
つくもたんのアバター化は既にあるという状況だったため、コンテンツ作り込みはほぼ0です。0投資です。そういった意味では非常に導入しやすいかと思います。
これでモノが売れるので、様々な業種、例えば地方の農家さんに至るまで簡単に導入できるのではないかと思っています。
――コストのお話ありましたが、削減できたポイントなどあれば教えてください。
以前にニコ生配信もやっていたのですが、ニコ生と比べても圧倒的にコストが安いのは“人”。人件費です。
これまでは、カメラマン、音声、スイッチャーと5~6人実働していたんですよ。
出演の人件費を抜いても毎回毎回、十数万円という稼働費がかかっていました。
これがバーチャルキャストにしてからは、固定費だけです。実働も今は3人なので、ピーク時の3分の1です。
今は私が多忙なもので、脚本担当、PCなどの機材周り担当と得意分野のある3人で分担していますが、そうでなければ1人でも出来ると思います。
今後は売りたいものをパワーポイントではなく、オブジェクトで出していくようにしたいので、3Dスキャンやモデリングの分野を手厚くしていきたいです。
――バーチャルキャストを利用する上で気に入っている点や、便利なポイントなどあれば教えてください。
バーチャルキャストさんのプラットフォームは非常に使いやすいです。
ボタンが少なくて操作も簡単ですし、アーカイブも残りますし。
何よりも“複雑な知識がいらない”という点が素晴らしいですね。
構成もシンプルでいいです。パソコンも1台、設備も少ないし邪魔にならないので常設で置いています。
企業では配信スペースとして会議室を使う場合も多いかと思いますが、1時間の配信予定の場合、配信前準備の1時間と撤収の時間を含めた3時間押さえておけば問題ないかと思います。
スペース的にも2畳分ほどあれば、動きで困ることもありません。
――集客などはいかがでしょう。
実はまだ社内でも実験的な試みという位置づけなので、積極的に集客をしていない状況なんです。
このように全く告知していない状況にも関わらず、初回からゲストさんのお力もあり約3000人が視聴しに来てくれています。
以前からニコ生配信はやっていたのですが、1000人の壁というものがあり、これを超えるのが凄く大変でした。初回からこの数字を大きく超えてきているので、もう少ししたら告知も本気出します(笑)
――今後のバーチャルキャスト通販で実現したいことなどありますでしょうか。
数年後には1日8時間バーチャル空間の中だけで「バーチャル・アルバイト」という世界が来ると思っています。
ハッキリ言って今の東京都の最低賃金で、パソコン販売の接客業を募集してもなかなか来て頂けないんですよ。
でも地方都市の最低賃金と比べると東京都の最低賃金は200円ほど高いんです。
これからは“バーチャル上京”です。実際の移動や上京をすることなく、東京都と同じ時給で働いてくださいと募集すれば、地方にいる優秀な方が来てくれるのではという思いがあります。もう“通勤不可”で募集してみたいです(笑)
バーチャル空間ではログイン状況のログも取れるので勤怠管理も問題ありませんし。
地元に縛られている人、環境から上京を実現できない人って少なくないんです。私もそんな人間だったので気持ちがよく分かります。
この「バーチャル・アルバイト」に関しては、もう総務とも話をしているところです。
――バーチャル空間でのコラボなどの印象はいかがでしょう。
今バーチャル空間でお手伝いしてくれている方々も、北海道からですけど距離という物理的障壁は全く感じません。
バーチャルキャストがあれば距離などを障壁とせず、世界に向け発信出来るのが凄く良いと感じています。
雇用もどんどん作っていけるのではと思っています。
今の所、月1回の働き口でしかないですが、自分で原稿かけるようになってくれば月に2回3回、週1回と増やし、各日放送や毎日放送が出来るようになってくれば、人を雇っても採算が取れますし告知も出来るかなと思っています。
なので、可愛い声でパソコンに興味があってVTuberをやりたいという方は是非お声がけ頂ければと(笑)
バーチャル店員専門スタッフがいれば、ファンや固定客も増え、今より更に稼働率が上がる可能性も高いです。
――それでは最後になりますがバーチャルキャスト利用で新たに切り開かれたものがあれば教えてください。
人体の覚醒を感じました。
触れていないのに、触れているような感覚であったり、ちょっと不思議な感覚が発生するんです。
ポリゴンが潜る瞬間に、なんとなく触れているような感覚が確かにあるんですよ!
これ、ひょっとすると“ニュータイプ覚醒”かもしれません(笑)
人類がここで開放されるかもしれません!
“身体の感覚が誤解してる”という感覚が凄く楽しいんです。
実務面で言えば、パソコンやVR機材が手元にある我々としては、ほぼ0ベースの投資、固定費のみという状況で、新規顧客の開拓や不稼働品の呼び起こし、販売数増に集客という成果が実現できています。これに加え今後は新たな形の雇用も生み出せると思います。
このバーチャルキャスト、投資効果が極めて高いです。
もう少し売上が上がってきて“調子こいたら”バーチャル空間内に「バーチャルTSUKUMO店内」を設けたいと思っています(笑)
――本日はお忙しい中、貴重なお話ありがとうございました。
※バーチャルキャスト法人向けエディションについての詳しい情報はこちら
→https://virtualcast.jp/enterprise/
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