バーチャルキャスト法人向けエディション事例紹介(4) 株式会社BRING様(旧名 株式会社アドパック様)
日々変化する消費トレンド、さらにその先にある「買いたい」を創造し続ける企業、株式会社BRING(旧名 株式会社アドパック)。
『感動消費』をテーマとして掲げる株式会社BRINGが、現在注力しているソリューション、それがVTuberやバーチャルキャラクターを店頭従業員として活躍させる「バタラク」です。
今回はバーチャルキャストの導入もある、この「バタラク」ご担当を訪ね、お話を伺ってみました。
――VTuberやバーチャルキャラクターによるライブ販売を実現するソリューション「バタラク」を導入するきっかけや狙いはどのようなものだったのか教えて下さい。
元々我々は店頭の販売促進を支援している中で、「店頭で人の代わりとなる販促物」を45年間提供し続けてきました。
これまでは「商品ポップ」という存在が、その場に人が立っていなくても商品の良さを語ってくれる重要なツールであったため、デザインやコピーライティングを磨いてきました。
それでも、“その場に人がいて商品の良さをしゃべることに勝るものはない”ということが我々のジレンマでもあったんです。
2018年にはVTuberの波が押し寄せてきまして、この流れをうまく店頭に落とし込めば“対話型の接客ができるようになるんじゃないか”というアイデアが、導入の狙いでもあり、きっかけでもあります。
――株式会社BRINGさんではバーチャルキャストだけでなく、様々なバーチャルアバター製品をご利用かと思いますが、バーチャルキャストの印象や使い分けなどいかがでしょう。
VR表現のテクニックを活かして楽しく接客するというパターンに於いて、バーチャルキャストは非常に長けていると思います。
VRゴーグルを装着せず、PCのインカメラだけでアバターが動いてという他社製のソフトも導入していますが、こちらは“コミュニケーションを取る”ということが主目的の現場に於いて、簡易的なサービスとして用いています。
もちろん導入企業様で現場対応されるスタッフさんのスキル、ビジネス的な企業運用によって使い分けることもあります。
――「バタラク」という画期的な企画で実現できたものを教えて下さい。
売り場でいうと、これまで子どもたちが反応してくれて集客ができる手法は、着ぐるみが賑やかしをする手法しかないという状況でしたが、このバーチャル従業員による接客は“ネクスト着ぐるみ”といえる存在だと思います。
子どもたちの反応もユニークで、最初はおっかなびっくり来てくれるんですが、着ぐるみと違って何度も画面の前に突撃しに来てくれるんですよ。
この何度もやってきてくれるという反応は、約45年やっているなかで初めて見るものでした。
他の面では、インターネット通信を利用していますので遠隔からの操作が可能であるという点、アバターの変更や、中の人材も入れ替えが可能であるという点で人材の最適な配置も実現できました。
――現場から上がってくる「バタラク」の反響いかがでしょう。
接客応対を受けるお客様からは、キャラクターがモニターから接客してくれる楽しさや新しさというお声があります。
導入企業様からは、現地にいなくても接客ができるという可能性。繁忙期には本部にいながら店舗応援ができるという、“店舗応援の新しい形”としてご好評頂いております。
――VTuberやバーチャルキャラクターを、リアルなビジネスの現場と結びつけることに成功した“根幹”にある考え方とはどのようなものでしょうか。
VTuberのアプローチとしてまだまだエンタメが中心かと思いますが、VTuberを店頭に召喚するという考え方ではなくて、販売に関する経験則や専門的な知識を持ったスタッフをVTuber化して店頭に落とし込むという考え方を持っています。
VTuberを主軸とする技術自体をサービス化し、日常に落とし込むことでVR自体のリテラシーも世の中的に高まってくるのではという思いもあります。
――実務の方面に関してもお伺いいたしますが、導入企業様側の機材や準備、その期間などいかがでしょう。
導入企業様の意向として「オリジナルキャラクターの制作から取り組みたい」というお声ある場合はそこから応対させていただいています。
オリジナルキャラクターを用意するまでの作り込みは必要ないという企業様向けには、今の所、女性店員3名、男性店員1名合計4名のアバターを用意していますので、こちらをレンタル提供にてご利用頂いています。
機材も基本的にはこちらからレンタルでご提供させて頂いております。スタジオもありますので導入企業様が事前に買い揃えなければならないというものも無いかと思います。
期間に関しても、導入企業様側で企画やスクリプトが固まっていて、実施日も決まっているようであれば、2週間ほどで準備が整うかと思います。
そうでなくとも1ヶ月あれば準備は整うかと思います。
――実務にバーチャル従業員として携わる方からのお声や反応などいかがでしょう。
中の人、いわゆる“魂の方”から上がってくる反応としては「入ってやっているのが楽しい」とのお声が多いです。
キャラクターの中に入ることで普段の自分より突っ込んだ話ができるというご意見、普段ではしないような声のかけ方、キャラクターなので多少踏み込んだ会話の内容でも許容されるありがたさががあるというお声を頂きます。
――実際に「バタラク」のビジネス的なパフォーマンス面はいかがでしょう。
導入事例の多くが“推奨販売”のケースになりますが、これまでも日常的に動いている製品に関して「バタラク」を導入することで、売上が120~130%に伸びています。2019年4月から行っている30回ほどの実働成績も同様の範囲内に収まるものでした。
極端な事例で言いますと、普段全く動いていなかった、簡単に言うと全く売れていなかった商品をバタラク販売することで、3000%ですとか、590%という驚異的な数字をはじき出したこともありましたが、このような特別な事例を除き、頻繁に日々動いている製品の販売だけで120~130%の成績が出せています。
――バーチャル従業員からの接客を受けるお客様の反応も千差万別かと思いますが、想定していなかった反応や傾向などありましたでしょうか。
意外にも高齢者の方が“会話する相手”として興味を示してくれるケースが多いなという印象があります。
他にもバタラク実施店舗の店長からのお声でこのようなものがありました。実施の翌週に「あのキャラクターがオススメしてくれた商品どこにありますか?」と後からのお問い合わせがあったというものです。
“経験価値としても持続して記憶に残る”というフィードバックは大変貴重で参考になりました。
――VTuberやバーチャルキャラクターをバーチャル従業員に落とし込む「バタラク」ソリューションで、新たに切り開かれた部分を教えて下さい。
まずは遠隔地からでも接客可能という人手不足の解消という大きなものがあります。
働きたくても働けない環境にある方、どうしても現地に行けない方、環境やタイミングでスキルを発揮できない方に対しても“新しい働き方の形”として切り開かれたのではないかと思っています。
それでも、モニターから接客されている、モニターの中のキャラクターがリアルタイムに応対してくれていると認識してもらうまでに時間がかかるので、同様のインフラが整い、お客様への体験としても染み付き、当たり前のものとして定着するのはもう少し先になるのかなという印象もあります。
ただ、定着さえしてしまえば、実際の店舗にも「あのキャラクターのオススメ実施日にまた行きたい」というお客様のお声が届いているので、今後の広がりも大きいのではと感じています。
――それでは最後の質問になりますが、「バタラク」での経験や実績を踏まえた、将来的なビジョン・展開などありましたら言える範囲で教えて下さい。
やはり今後は「人手不足」が大きなテーマになりますので、技術があるままにリタイアされた方の再雇用にも役立てられるのではという思いがあります。
先程も上がりましたが、高齢者の反応が良いという点もありますので、医療や介護の分野でも運用が可能になるのではという展開も検討中です。
人手不足問題に関しては店頭オペレーションで困っている店舗も多いです。
デジタルサイネージ的なものを設置するだけで、店頭ではスタッフが何も操作することなく、お客様が直接アバターを呼び出せて、そのまま応対ができるというハードウエア面での開発も進めています。
――本日はお忙しい中本当にありがとうございました。
ありがとうございました。
※株式会社BRING「バタラク」
→ https://bring-corp.jp/service/vataraku/
※バーチャルキャスト法人向けエディションについての詳しい情報はこちら
→ https://virtualcast.jp/enterprise/
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